「どうしたの、ゼロ。凄い痣があるけど…」
「気にしないで下さい。廊下で倒れただけです」
「…階段じゃないよね?」
「廊下で倒れて階段に倒れ込んだだけです」
キースがゼロに包帯か溶接か決めかねていると、そこにウィングが現れた。
「つーか、今時階段とかめずらしーな。移動魔法陣あるんだろ?」
「あります。しかし、L君がつけると思いますか?スクーターが4、5台ありますが私は使えません」
「何で?いじめ?」
「…私はここの研究員じゃないんですといったと思うんですが…」
「あ、そういやそうだな。忘れるってそんなもん」
ウィングがニヤッと笑んだ。
「おいお前ら早く乗れよ!置いてくぜ~!」
ヘリオが甲板から声をかける。
ウィングは応えて手を振ると、風を起こしてフワリと浮いた。
「ほら急げよお前らも。ヘリオあいつ病んでるぞ」
そのまま飛んで消えたウィングを追うように、二人も下ろしてあった梯子を掴んだ。


