「ぐへぇっ」

ぴゅーん、ガラガラガッシャーン。

「…」

「あれぇ?悪い子はどーこーにーいーるーのーかーなーあー?」

「あなたでしょ。セレン可哀想だから吹っ飛ばさないでよいちいち」

絶対堪えてないしね、とシルンがキングに言った。

「いーんだよ、ここ数日悪い子がいるから」

ものすごく大きなパドルを担いでキングがいい笑顔で言った。

「全然痛くないだろ?でもめっちゃ吹っ飛ぶし(笑)」

「…ホントに?」

「うん、まーなー。てなわけでお説教タイムだなセレンちゃん。さあ覚悟しろよ♪」

「…いや音符ついちゃってるし」

ずりずり引きずられていくセレンは申し訳程度に抵抗していた。


「つーかー!無視すんなよ特にそこで楽しそうに二人でババ抜きやってるやつ!ぜってー楽しくないのに笑顔でやるなぁ!」

「よおヘリオ。生き返って何よりだー」

「ちょっと!どさくさに紛れて三枚捨てるの駄目だよ!」

茶髪のたれ目キースが銀髪つり目ウィングにカードを押し付ける。

「だって構ってほしーもーん!」

「黙れ幼稚園児」

「まてシルン全世界の幼稚園児に謝れよ!」

「おいこらどういうことじゃぁぁぁ!!」

「すみませんでした。心からお詫び申し上げます」

「こらそこぉ!謝んな俺が幼稚園児以下って言いたいのかてめーらぁー!」

「違うよ、怒らないで船長」

キースが天使の微笑みで言った。

「以下じゃなくて未満だよ」

「ひでぇ!優しいキースに言われるとダメージが!」

ヘリオのヒットポイントは瞬く間に0になってしまったが、スキル「開き直る」でHP1で持ちこたえた。

画面が赤く点滅し始めたが、スキル「ポジティブ!」でHPとAPは全快した。

「前向きって無敵だね」

「無敵っていうか、馬鹿は風邪引かないってやつだと思う」

「あ、同じく~!」

ここのクルーは皆冷たい。