引き取られた先は政府の研究所でした。
私の奇跡の力を利用するために、私をお兄ちゃんから…吸血鬼から遠ざけたわけです。
ええ、知っていました。
お兄ちゃんが吸血鬼だったことは。
別にだからどうとかもなかったですけど。
いい意味でも。
悪い意味でも。
…そこでの暮らしですか?
一週間に一度、羽を切り落とされる以外は普通ですね。
1人でしたが、スタッフの方も良くしてくださいましたし、お兄ちゃんがいないこと以外は満足でした。
いえ、幸せだったと言っておきます。
私は幸せでした。
…お兄ちゃんの苦しみも、ようやくそこで知りました。
私は後悔しました。
なにも知らなかったことを、です。
お兄ちゃんの腕の中がどれだけ優しくて暖かかったのか思い知らされました。
目が覚めて、私は初めて夢から醒めました。
ふんわりした世界が、急激に血と闇に染まりました。
完璧なお兄ちゃんがどれだけの矛盾を抱えていたのか知りました。
お兄ちゃんと過ごして、支えたい。
それが私の2つ目の目的です。


