「あのまま、あの悪魔死んじゃったのかなぁ、どう思う?ヘリオ」
「…」
「ヘリオ?」
「じゃったってのにはちょっと反論せざるを得ないけどさ。死んでねーと思うよ」
肉体と魂が毎回バラバラなんだよ。
幽霊じゃねーからもともとの体はあると思うんだけどさ。
まだそれらしきものは見たことない。
「…怖い」
ホラーが苦手なキースはちょっと涙ぐんでいた。
「全くだよな」
とヘリオはそう言った。
「おーい、アクア起きたぜ」
「本当?よかったぁ」
「…」
ヘリオは黙って頷きつつ踵を返したウィングに続く。
机に頬杖をついてうたた寝をしていたらしいアクアは、三人の気配に 顔を上げた。
「船長様」
「セレンちゃんは気失ってる。多分起きるよ」
「そう…ですか…?」
かなり落ち込んでいるらしいアクアに、キースは笑いながら話しかけた。
「大丈夫だよ。それに完全にセレンが勝手にやったことだし」
気にすることないよ、とキースは言ったが、アクアはさらに表情を暗くした。
「なんか、お兄ちゃんみたいです」
「お兄ちゃん」
アクアはこう言った。
「…私が探してる人のうちの1人です」
言いましたっけ。
「私には両親がいないんです」
そして。
「元は奴隷でした」
と。


