「あ、あ、やめてください、お願いします…やだっ死にたくない…!」
その時だった。
赤い液体を纏った黒い物体が、槍を弾き飛ばす。
アクアは一瞬それがなにか分からなかった。
そしてスッと大きく目を見開き、叫んだ。
「きゃぁぁぁぁ!!?」
おびただしい血が溢れ出る。
「てめ…っふざけんな馬鹿セレン!」
「ふざける…これが最善だと思ったが」
「よく見ろ馬鹿セレン!あいつアクア刺す気なんてねーよ!」
「あったらどうするんだ」
「…馬鹿!ばかばかばかばかぁっ!」
あったらどうするって。
「このヘタレ!チキン!」
急所すら狙う素振りなんてなかったのに。
狙うという可能性が0.001%でもあるからって。
右腕を…!
「殺してやる…!」
地を蹴り、なにも考えなしに。
だって仕方ないだろ?
目の前が、セレンの鮮血で真っ赤に染まって。
頭が真っ白になって。
気がつけば、あいつの首が足元に転がってた。


