「そしてドッペルゲンガーは入れ替わる為だけのものでもない」
「…!」
きゃあ、悲鳴に振り返ってセレンは半ば反射的に飛び出した。
アクアが倒れている。
あいつの槍で。
傍のウィングはすでに気を失い、襲いかかったキースも跳ね飛ばされる。
間に合わない。
セレンは手元の銃を握りしめた。
銃なんかじゃ、あいつは止まらない。
飛び出していっても、その頃にはもうアクアは串刺し状態。
それなら。
アクアの盾を投げればいい。
投げるのは鉄板なんかじゃダメだ。
この手袋じゃないと。
でも手袋だけで投げれば当然ちっとも飛ばないだろう。
重しを詰めている暇なんかない。
いや、そんな必要はない。
だって手袋には元々重しが“入っている”のだから。
それごと投げる。
足を止めたセレンは、足下の短剣を拾いあげた。
そして迷うことなく。
右腕を“切断”した。
そしてそれを掴み、思いっきりアクアの方へ投げ飛ばした。


