「フフフ、愉快な」
にっこりしながら悪魔が嗤う。
おもむろに槍を振りかぶり、振り下ろしてクスリと笑みを深めて、石に亀裂が入った。
ゆらりと飛び退くセレンは、そのまま一気に間合いをつめた。
「…?」
俺の専門は長距離の一撃必殺。
銃及び矢などの飛び道具による戦闘。
しかしどうしても隙ができる。
ここは外界と同じ、この星の職業は関係ない。
下手に遠距離で戦って隙を作るよりは。
魔法と夢術を駆使して身体能力を叩き上げ、近距離で戦えばいい。
好き嫌いで強さが変わるほど、俺は馬鹿じゃない。
同じく槍を構えて、そのまま武器を置くように突く。
一撃回避。
大量の武器が落ちている。
こいつの隙だ。
「自分を過信しすぎだ。馬鹿」
すぐさま短剣で背後から心臓に切りかかれば、防御すらしてこなかった。
皮膚は鋼鉄も同じ。
何度急所を攻撃しても駄目だった。
「…」
仕方がない。
セレンは躍るように飛び上がり、頭上から素手で飛び込んだ。
象牙を握り潰す握力。
象本体を放り投げる腕力。
鉄板に足跡が残る脚力。
それは何よりの武器になる。
払われた槍を身を捩ってかわし、右ストレートを戦闘系魔法の球防御、冷火でガードして叩き込む。
「…」
なんて皮膚だ。
バリアが砕けた。
「ふうん」
突かれた槍に、バリアを纏わせ受ける。
そのバリアも砕け散り、後は手袋だけ…
「!」
「…」
「…竜皮か…?」
あー、奥の手バレちゃったな〜テヘッ。
ヘリオになった気分でそう呟いて、セレンはぞくりとする背筋に舌なめずりした。
無ければ、腕が飛んでた。
と。


