「待て」
「うぐうっ!」
セレンは半乱狂で襲いかかったヘリオをなんとか食い止めようとする。
両腕を捻り上げ、激しく抵抗するヘリオを拘束した。
「待て…っ…あ、ばれるな馬鹿…!」
床に押し倒して揉み合うと、腕を折りかねない勢いで暴れるのでそれに合わせてセレンも翻弄される。
数分暴れまわって、ヘリオが諦めた頃にはセレンもぜぇぜぇと荒い息をしていた。
「なんで止めるんだよ。セレン」
「あいつの体は鋼鉄より強い…あの勢いで行ったら腕逝ってたからだ」
その剣は折れないからな、セレンはそう言った。
「鋼鉄より硬い、そして鋼鉄より鋭い」
微笑を浮かべて悪魔が言った。
「おいセレン後ろ…!」
振り向きざまに、セレンはその槍を銃で受ける。
と。
「…!」
その銃はヒビ一つ入らず突き抜けた。
まるで針を布に通したかのように。
「…」
セレンは素早く跳びのき、ヘリオもそれに倣う。
「最強の槍だ…何より鋭い…!」
キングはボウガンを取り出しつつ囁いた。
「アクアちゃん」
ヘリオが叫んだ。
「どんくらい戦える!?」
見くびると怪我する程度です、とアクアが言った。
そうでなければ微妙ですねと。
アクアは続けた。
「相手によります」
ゆっくり振りかぶった長いバトンを振り下ろす。
と、石にクレーターができた。
「両端はそれぞれ700kg、それ以外は100kgあるって聞いてます」
でも私、数字弱いんです。
「…!?」
「合計…⒈5t…?」
「ついに来たか物理法則ガン無視キャラ…!」
「黙ってろ厨二病」
キングは喜んでいたがヘリオに怒られた。
「…質量保存の法則は…?」
「触れるなキース」
どう考えても圧力の関係ですごいことになりそうだが、キングはにっこりした。
「…この身長、このスタイル、このキャラ…ああ正にアニ」
「殺す」
「ヘリオ」
セレンがヘリオの肩に手を伸ばした。
「二人で」
「やめろてめーらしてる場合か!」
ウィングはそう叫ぶ。
「厨二はほっとけ!アブナイお兄さんだけどそんだけだ!」
「おいウィングてめぶっ飛ばす」
「閑話休題…?」
「アクア、あまり気にするな」
セレンはそう呟く。
左手前方では三人が喧嘩をしていた。


