絶叫。
凄惨な、悲惨な。
「サテ!」
絹どころか闇も光も裂く。
夢を覚ます。
ハッとして振り向けば、サテは精一杯手足を伸ばし、天を仰いだ。
アッと、そう言う間もなくがくりと崩れ落ちる。
「…」
ヘリオは半ば反射的にセレンを探す。
果たしてセレンは、あの冷たい炎に包まれていた。
「…っ!?」
まだこちらには気がついていない。
炎は美しく竜を形作り、蛇のように躍る。
円形の部屋の…
体に三角形の魔法を無数に輝かせ、一瞬大きく笑う竜。
中心に置かれた…
一瞬の後。
体をバラバラに割かれた竜。
魔導石。
「ははははは…!」
冷たく熱い爆炎の中に、悪魔が嗤う。
「ようやく来たか…?お嬢さん」
その声に、セレンはふらりと振り向いた。
「ヘリオ」
セレンはそう言った。
「嗚呼、面白い…!」
高笑いと共に、そいつは言った。
ようやく戦える。
「私は情報戦には向いているが、やはりゾクゾクするな」
遠く離れていてもその表情は手に取るように分かった。
「力無き者の絶望…嗚呼、最高だ!」
こちらを馬鹿にしきった、冷静な冷徹な冷酷な。
残酷な侮蔑。
アスタもサテも、グッタリとしていた。
でもおそらくリタイヤではないだろう。
二度と起きない。
一生。
「ヘリオ!」
ウィング、キースは無事だ。
キングも無事。
アクアもいる。
「…」
「さあ、倒してみろ、この肉体を…」
何でお前は俺からばかり奪うんだ。
危うく溢れそうになった涙を隠すように、ヘリオは悪魔に襲いかかった。
ムカつくことに足元に置かれていた、愛用の剣を構えて。


