きもいと一蹴。
キースのセリフだが、あの天使がキモイと言うという異常事態だったのだ。
ウィングはめったんめったんに打ちのめされてしまった。
それはさておき。
「さて次行くかいえーい」
「…」
この部屋には通路が二つある。
二つは先ほど二組が出てきたところだ。
「…どこに行くんだよ」
「あー…」
ウィングは天井を仰いだ。
サテもそれに倣う。
「…」
「待機?」
「しかないよなぁ…?」
そのときだった。
___どぉぉぉぉん!!!
と、天井が抜け。
ほぼ同時に床も抜けた。
「う、うわぁぁぁ!?」
どうしようもなく、全員下に落ちた。
「うわぁぁぁぁっっっっ…!」
___ガン…
雄たけびを上げるドラゴンに、炎を防ぎつつ襲い掛かる。
切りつけたナイフは儚くも溶け、しかしすぐに再生する。
「うっ…」
___ははははは…
突然降り注いできた瓦礫の山に、へリオは目を細めた。
「…!セレン!?」
いや目についたのはセレン一人か。
ウィングはそう叫んだが、残念ながら口に出す勇気はなかった。
「…アスタ!」
サテは当然ながら気を失ったパートナーが気になったらしい。
うつぶせに倒れたアスタに駆け寄ると、素早く蘇生魔法の詠唱を始める。
キースはすぐさま防御に回った。
___はははははは…!
「…?」
セレンはその声にどこか聞き覚えがあって、ゆらりと天を仰ぐ。
___愚かな…
___嗚呼、なんと愚かな…!!
いっそ美しいまでの高笑いに続き、ドラゴンの尾が眼前に叩きつけられ、セレンはやむなく飛びのく。
毒針をボウガンに仕込みドラゴンの足元、つまり腹部に滑り込んで打つ。
痛みに暴れるドラゴンから素早く距離を取りつつ、炎の矢を右目に向かって射かけた。
___本当に何も知らないわけでもあるまいに…!!
雄たけびを上げてそれを弾いたドラゴン。
しかしすかさず氷で足元を固められる。
___ああ、哀れだなぁ…!!!
「黙れ…!!」
へリオは全身の力を込めて飛び上がり、左目を貫いた。


