「うわぁあぁぁあぁ…!!」
「どういうことだなんでこんなことになってるんだよふざけんなぁぁぁぁぁ!!」
アスタとへリオは大きな岩に追いかけられていた。
もはやべたすぎて嫌になる。
「つかお前壊せよ!!」
「壊せるかこんなの!」
「壊せ化け物!!」
「化け物いうなこのジャック・オ・ランタン!!」
「なんか違わねーか!?つか違う!これは偶然だよ!!」
「嘘つけ後付けかぼちゃ!!」
「後付の意味違うだろ!!」
吊り橋効果で人間こんなに仲良くなれるものなのだ。
まだ会って三日と立っていないのに素晴らしいボケツッコミの関係が出来上がっている。
「うわぁぁぁぁ!!壁が見えるぅぅ!?」
「アスタ壊せてめ年上だろ!」
「年上いうなこんな時だけ!!」
「ぶっ壊せよ男気見せろ!」
「何が男気だお前も男だろうが!!」
「先輩頑張れこのクズ!!」
「頼み事するときにクズはねーだろ!?」
壁に突き当たり、アスタは叫びながらそれでも振り返った。
実は結構余裕があるのだ。
3/sくらい。
「ぎゃぁぁぁ!?」
「先輩の役立たず!!ゴミ!クズ!!」
「そこまで言われる覚えはねーよ!!」
「セレンと居るせいで役立たずに対しての腹の立ち方が!!」
「それは俺のせいなのか!?」
「いやセレンが悪い!!」
「それも違うわボケ!!」
と、仲良く楽しくお話していると岩が迫ってきた。
「あーくっそ!!」
へリオがいら立ちまぎれに壁をぶん殴る。
___ドクン…
「い!?」
足ものと床がものすごい勢いで跳ね上がり、2人はせっかく降りてきた階段をはるか飛び越えた。
が。
「うわぁぁぁぁ!?」
今度は水流に押し流された。
「もうやだなにこのノンストップコメディー!!」
「うっせー!」
結局何の意味があったんだろうか。
びしょびしょになってついた先は、火山内部の浮島。
熱が一瞬にして二人の服を乾かした。
「…結局、ここがゴールかよ?」
「そうじゃねーの?」
あはは、笑いあっていて気が付かなかったと言い訳しよう。
その言い訳に何の意味があるのかわからないけど。
その瞬間、アスタは“消えた”。
そう、消えたとしか表現できない現象だった。
まさに神出鬼没。
いや、どちらかと言えば雲散霧消。
居なくなった、へリオの前から。
それはあまりにも唐突で、自然で、完全で。
セレンみたいな消え方だったから(セレンはよく消えたり出たりする)へリオは数秒気が付かなかった。
つまりfew secondsだ。
「…?」
笑った顔のまま、へリオは二度瞬きしてゆっくりと後ろを振り返った。
「久しぶりだな、お嬢さん」
あ、今日。
結構最悪の日かもしれないなんて。
へリオは思った。


