☆Friend&ship☆-妖精の探し人-


果たしてセレンは、日没ギリギリに帰ってきた。

「お帰り、セレン」

「…」

待ってた、と笑ったへリオに、セレンは黙って顔を背けつつドルの入った袋を渡す。

「…100万」

「ん」

受け取ってすぐセレンに返したへリオは、笑ったままセレンを座らせた。

「あげるから好きなの買ってきな」

「…」

突き返したセレンに苦笑しながら、へリオは立ち上がる。


「アクアちゃん、ごはん食べにいこっか」

「はぁい!」

嬉しそうに近寄ってきたアクアに、セレンは目を細める。

「…餓鬼」

「が…酷いですよ!!」

ぷくっと膨れたアクアに、セレンは思わず“笑った”。

「!?」

「あは、アクア…顔…何だよそれ…」

笑いをこらえようと口元に手をやりながら、その手も震えている。

血色の悪い頬に微かに赤みが差し、よほど面白かったのか、セレンは涙さえ零していた。

「ったく…もう…」

それを拭って、セレンはフードを被って蹲った。

「おい?」

「…もう…本当…ツボだ…」

セレンは震える声でそう言った。

「もう…嫌だ…」

震えたままの声に、それでも顔を上げたときには、すっかりまた元の無表情に戻ってしまっていたけれど。


今日は最高の日かも、なんて。

浅ましくもへリオはそう思った。