☆Friend&ship☆-妖精の探し人-


セレンが商品を売り切り店を畳んだ頃には、もう日が沈みかけていた。

リバイテラスの町に沈む夕焼けが美しい。

オレンジに沈んだ街に、セレンは空を見上げながら歩いていた。

「…」

畳んだテントを入れたリュックサックが重い。

もう帰ろうか。

でも、あともう少し稼いでおきたい。

船への奉納金があと100万ドルほど足りないのだ。

荒稼ぎできるこの星で、なるべく稼ごうと思ったのだが。

「…あと一回」

頑張ろう、と前を向いたところで、誰かに腕を引っ張られた。


「セーレン君」

「へリオ」

クル、と振り返るとへリオが笑っていた。

「…なに」

「まだかえらねぇ?」

「…ああ」

そっか、と笑ったへリオはそれでも手を離さない。

「…」

「…」

「離せ」

「うーん、調子悪そうだな」

「…」

グッと、セレンは思いっきり手を引いた。

「帰ろ」

にこっと笑ったへリオに、セレンは黙って背を向けた。

「…日が沈むまでには帰る」

「ん」

へリオは笑ったままだった。


「待ってるな」

「…」

俯いたのかもかもしれないけど、頷いたんだと信じてへリオは嬉しそうに微笑んだ。