☆Friend&ship☆-妖精の探し人-


「さぁってと」

それぞれの麻袋の中に羽根や肉を詰め込んだところで、アスタが言った。

「新人さんだと思って三人で行ってたけど、大物狙った方が効率いいな」

「…うん。ちょっとドラゴンあたり狙ってみる?」

「ドラゴン?羽根あんの、あんまふわふわなイメージねーけど」

へリオに、サテが答える。

「…目的はドル稼ぎだからね。ドラゴンの爪っていいんだ」

「なぁるほど」

「ドラゴンはこんなとこじゃなくてダンジョンにいるんだ。そこまで移動しよう」

アスタはそう言って、またオーブを輝かせる。


「…うわー」

岩でできた巨大なキャッスルが、荒野にそびえたっていた。

「中は普通に進むぜ」

アスタはそう言って、重い木の扉を開けようとした。

「おーい、待って!!アスタ!サテ!!」

「…リンネ」

現れたのは緑髪の長髪、勝気な美女(?)。

豪快に笑いつつ、骨付き肉を大口で食らうリンネ。

棍棒片手に赤い宝石のグローブを付けて、頭にはターバンがたなびいている。

「…ん?リンネ、その手袋…」

「ああ、そこの男の子から買った!!今は料金代わりに素材集めを手伝ってるところ!!」

リンネの背後から現れたのは。

「セレン!?」

「…商売職の特権だ。騙されやすいやつは騙す」

何故か灰色の巨大なフード付きパーカーを着ている。

裾が長く膝下10cm、結構ふわふわだ。

「どうしたんだよその恰好…」

「ここの商人の衣装だ。奴隷服っぽいからきてみた」

動機の部分は聞き流し、へリオはふぅんと相槌を打つ。

「てなわけで、ボスドラゴン行こう!!」

「…商人君一人連れて?」

リンネに、サテはそう言った。

「…無理だよ…いつも7人パーティーで挑んでるじゃない…」

ねぇアスタ、とサテが同意を求めた。

「…」

「…アスタ、聞いてる?」

「…あ、あああわりぃうんそうだな無理かもしれねーな!!」

「…うん」

パッと赤く頬を染めたアスタは慌ててそう言った。

「問題ないよ。彼も戦うらしいし」

「職業は?」

アスタの質問は、セレンに向けられたものだったらしい。

「魔術猟師」

セレンはどこからともなく猟銃を取り出しそう言った。

「大丈夫なの?魔力は…」

「ここの星の魔力は魔力じゃないんだ。斬、打、突、魔。属性の一つだ」

「ん?なに?魔力って?」

首を傾げたリンネに、なんでも、とセレンが呟く。

「…それでも無理だよ。レジェンドでも5人はギリギリだし…」

「問題ないと思うけど」

「…何言ってるの…リンネ」

サテが呆れたように言ったが、へリオは頷いた。

「余裕だよ。ステータス異常商人さんがいてくれたら」