学校の中に入ると、珍しくアイツは先に着いていたらしい。


「はよーっ。また夏休みにって言われたぞ?」


「ふうん?良かったじゃん?…」


「良かったって何が?自分の事じゃん!!」


「そうだな…お前も行くんだからな?」


「やだよ。二人で会えばいーじゃん。…行かないからな」


何でお前の用事に俺まで着いて行かなきゃならない?


楓ちゃんが、お前と居るとこなんて見たくないよ。


あの笑顔が頭に焼き付いて、離れない。


はにかんで、俯く姿も……


走り去る姿も……


全部が焼け付いてる。


俺の中でも特別な彼女。