「…そろそろ帰ろうか」
時計を見ると2時を回ろうとしていた。
「お兄さん、ごちそうさま」
「はーい、ぜひまた来てください。
2人の会話を盗み聞きしながらこっそりにやけてるから」
イケメンは何を言っても爽やかになるからずるいな、なんて小学生のようなことを考えてしまうくらいには酔っているらしい。
「お休みなさい」
ドアを開くと少し冷たい風が心地よかった。
今日は最近にしては割と暖かく、天気予報によれば9月下旬の気候らしい。
「ねえ、疲れてなければ酔い醒ましついでに歩いて帰らない?」
提案したのは彼女の方。
「いいよ、今日は散歩にちょうどいいね」
手を繋いだのは僕の方。
こんな風に少しずつお互いに歩み寄りたいなと思いつつ、静かな夜道を歩いた。

