再び席に戻るとテーブルの上の食器は全て片付いていた。
「じゃあ行こうか、今から彼女と合流だろ?」
「あ、お会計…」
「今日は奢り。俺に彼女ができたら今度は凪の奢りだから」
彼らしい行動に感心してしまった。
恥ずかしさを隠すためにそれは永井が落ち着く気になる日までのお預けだよと言うのはやめて、素直にお礼を言った。
2人で地下鉄に乗って間も無く、僕の最寄りよりもひとつ手前の駅名がアナウンスされた。
「今日はありがとう、ごちそうさま。
…ぜひ次は3人で」
「うん、楽しみにしてるわ。
おやすみ」
赤らんだ顔の幼馴染に手を振って電車を降りた。
改札を抜ける僕の足取りは軽かった。
何故お酒を飲むとこんなに人恋しくなるんだろう。

