ノーティーアップル



スパークリングワインのボトルが空いた頃、タイミングよく携帯が震えた。

ディスプレイを見ると山下りこの文字。

「ごめん、電話」

席を外して再び外に出る。先ほどとは違い、自分の声は弾んでいた。


「もしもし」

「あ、もしもし。
今こっちは解散したから先にお店向かってるね!
そっちはまだ時間かかりそう?」

聞き慣れた声に口角が上がった。

「いや、もうすぐ解散だと思う。
吉田さん、なんて言ってた?」

「昨日の件は凪くんのおごりに免じて許してくれるって。
あとは素直におめでとうって言ってくれた」

「…よかった。
じゃあ30分以内には行けると思うから」

「はーい、待ってるね」

ものの1分足らずの通話でも僕の心は満たされていた。