ノーティーアップル


「もしもし、どしたの?」

昨日ぶりの青木の声。

「あ、凪だけど今時間大丈夫?」

「え…あ、うん…」

電話越しでも状況が飲み込めていないのがよくわかった。
それはそうだよな。我ながら申し訳ないことをしているのは分かったけど、緊張しているのはこちらも同じだ。

「急にごめんね、青木の電話番号知らなかったから永井に電話貸してもらって。

…昨日の話だけど、ごめん。
僕、今付き合ってる人がいるんだよね」

喉の奥から無理やり言葉を引き出した。

「あ…そうだったんだ。
むしろあんなことしてごめん。
知らなかったことに免じて許して!
私も前進できるように切り替えなきゃなー、わざわざ電話ありがとう」

清々しい彼女の言葉に感動した。
思い切って言ってみてよかった。

「ううん、こちらこそありがとう」

「永井くんが待ってるんでしょ?そろそろ切るね、彼女とお幸せに」

その言葉とともに電話は切れた。

相変わらずかっこいいな、この子は。