ノーティーアップル



「え!マジで?!
彼女できたの?!」

「…うん」

彼女という響きに少しだけくすぐったさを覚えた。

「わー!おめでとう!
青木には申し訳ないけど、凪が幸せならそれが一番いいよ!
これ空いたら次はスパークリングにしよう」

友達に彼女ができたと自分から報告したのは初めてかもしれない。そもそも恋愛相談なんて自分からするタイプじゃないし。


「いやー、凪が彼女ができたなんて教えてくれるような人だったら、きっと素敵な人なんだろうなー。
凪ってどっちかといえばそういうこと隠したがるタイプじゃん?
今度紹介して」

自分の幸せをこんなにも喜んでくれる友達がいたことに、この年になって気がついた。
目の前の幼馴染の笑顔を見て、素直に嬉しいと思う。

「わかった。
それで、青木にもちゃんと自分から伝えたいんだけど…電話番号知ってる?
前に携帯変えた時に彼女の番号消えちゃってさ」

「あー知ってるよ、今電話してみる?」

一瞬思考が止まったけど、動くなら今だと腹をくくった。

「うん」

と答えると、彼の携帯を渡された。

え、もう発信中なの?!
と表情で伝えると面白そうに彼が笑った。

慌てて席を外して店の外に出る。