「こっちも白状する。
さっき駅で女の子にキスされてたでしょ?」
「…え?」
「会社の最寄駅であんな大胆なことしないでよね。まあ、凪くんは受け身だったんだろうけど。
飲み会帰りに駅までみんなで向かって、解散ってタイミングであんなもの見せられてたまんなかったわよ。
まあ幸運にもみんな酔っ払ってたし、後ろ姿で凪くんってわかったのは私だけだったけど。
それでムシャクシャしてもう一軒行こうと思って、あのお店に行ったの。
そしたら凪くんがいるからびっくりしちゃった」
彼女らしくない言葉にさらに驚いた。
「嫉妬だよね。すごい子供みたいで恥ずかしいんだけど。
そこで私、あなたに対して安心しきってたなってわかったの。
いつも私が振り回しても何も言わずにいてくれてるから、基本的に私以外の人に興味ないんじゃないかって思ってたんだよね。
だから、今日年甲斐もなくやきもちなんか妬いてるって気づいたら、やっぱり凪くんのこと好きなんだって確信した。
そんなタイミングでそっちもそんなこと言ってくるんだもん。
私の弱みにつけこんでるわけじゃないよね?」
おもわず笑ってしまった。
君も君で以心伝心だと思ってくれてたのか。
「は?!なんで笑うのよ!」
「ごめんごめん。
いや、僕ばっかりじゃなかったんだなって。
君は何で自分が考えてることがわかるんだろうって、僕もよく思ってたから。
…じゃあ調子に乗るついでにもう一つわがままな事言わせて。」
「…何?」
大きく息を吸って覚悟を決めた。
「色々順番は間違ったかもしれないけど…僕のところに来なよ」
人生で一番男らしさを見せた瞬間かもしれない。
「…うん、そうする」
彼女の言葉に迷いはないと思った。

