少し強引に手を握って彼女を家の中に引き入れた。
「なんか…どうしたの?」
ドアが閉まる音がしたあとに、真っ暗な玄関で心細い声が聞こえた。
こういうことは座って落ち着いてから話すべきなのかと思うけど、我慢できずにその場で彼女を抱きしめた。
「こんなことを言うつもりは今まで全くなかったんだけど、さっきバーテンダーの人に少し励ましてもらった勢いで言わせて。
…君が僕のことを都合のいい男だと思うんならそれでいいから、このままいつも通り抱き合いたい。
けど、それ以上の男になれる可能性があるなら、今日はお互いのことを話しながら一緒に眠りたい。
これが今の正直な気持ちなんだけど、こんなこと言われたら困るかな…?」
「…え?」
彼女の体が緊張するのが伝わった。
焦らずに彼女の言葉を待つ。
「どうしよう…全然想像もしてなかったこと言われたらどうしたらいいかわかんないんだね。
今の言葉の返事になってるかは分からないんだけど…私、あなたのこと、好きだ」
今度は僕の心臓が跳ね上がった。これも彼女に伝わっているんだろうか。

