恋をしよう!

荻原が田村の誘いに断ってくれることを願った。

あれ?

どうしてこんなことを願っているのだろう?

田村は荻原の友達だから、一緒にどこかへ遊びに行くのは当然のことじゃないか。

だけど、今日は数学の授業がある日だ。

数学の授業があるその日の放課後は、荻原は必ず僕がいる数学準備室へと訪ねにくる。

最近はテストもあって訪ねてくる機会はなかったけれど、今日はきてくれるんじゃないかと期待をしていた。

荻原、頼むから断ってくれ。

僕は今日も数学準備室にいるから、そこへきてくれ。

そう願ったのに、
「いいよ、行こうか」

荻原の口から出てきた答えに、手に持っている授業のセットを落としそうになった。