恋をしよう!

わたしは教科書とノートを手に持つと、椅子から腰をあげた。

「失礼、します…。

今まで、すみませんでした…」

小さく会釈をすると、数学準備室を後にした。

「迷惑、か…」

先生はわたしのことをずっとそんな風に思ってたんだ…。

あんなことを言われたのに、不思議と涙が出てこない自分に気づいた。

本当に感情を失くしてしまったのかも知れない。

教室に戻ると、当たり前だけど誰もいなかった。

帰り支度を終わらせると、教室を出て、カギをかけた。

職員室に行って教室のカギを返すと、下駄箱へと足を向かわせた。

上履きからローファーに履き替えた時、
「荻原美咲先輩ですよね?」

後ろから誰かに声をかけられた。