恋をしよう!

その日から合否のことよりも、わたしは先生のことが気になっていた。

「せめて名前くらい聞いておけばよかったな…」

青いシャープペンを手に取ると、わたしは呟いた。

合格できなかった場合、このシャープペンはどうなってしまうのだろう?

一生持つ…って言う選択は、少なくともなしにしたい。

だけど、合格しなかったのにシャープペンを返すためだけに学校に顔を出すと言うのは何だか気が引ける。

「でもイケメンだったな、あの先生…」

机にぶつかったふりをして、こっそりとシャープペンを貸してくれたんだもん。

「結果はどっちでもいいから、あの先生に会いたいな…」

呟いた後、青いシャープペンを胸に抱いた。