お互いの両親にあいさつに行った時、当然彼らは元教師と元生徒と言う僕らの関係に驚いた。

反対されるかと思ったけれど、そこは美咲の機転で何とかなった。

「雅仁さんとは卒業式から半年後にあった高校の同窓会で会って交際を始めたの」

美咲はそう言って説明していた。

お互いの両親にはウソをつくはめになってしまったけれど、
「子供が産まれたら、本当のことを話せばいいんじゃないですか?」

美咲はそう言って笑っていた。

彼女の笑顔に、僕はそれでもいいかと思った。

僕たちの子供に会える日はいつになるかはわからないけれど、その子供が大きくなったら僕たちの本当の出会いから結婚までの出来事を話すつもりだ。

僕たちが恋をしたきっかけ、そして結婚にまで至ったきっかけを。

遠くて近いような未来に思いをはせながら、僕は隣にいる美咲と手を繋いだ。

☆★END☆★