「雅仁さん」

美咲が僕の名前を呼んで小指を差し出してきた。

「わたし、雅仁さんとずっと一緒にいられる日を楽しみにしていますから」

そう言った美咲に、
「僕も美咲と夫婦になれる日を楽しみにしているよ」

僕は美咲の小指に自分の小指を絡めた。

「ふ、夫婦…!?」

そのとたん、美咲はボッと顔を真っ赤にさせた。

「結婚すると言うことはそう言うことだろ?」

そう言った僕に、
「そ、そうですけど…」

美咲は呟くように返事をした。

「美咲」

「はい」

僕はギュッと絡めている指を強くすると、
「幸せになろうな」
と、言った。

美咲は笑顔を浮かべると、
「はい!」

首を縦に振ってうなずいた。