「少なくとも具合が悪そうな顔をされるよりかはずっとマシ」

僕は美咲に言い返した。

…多少、本当の気持ちは入っているけれど。

「エヘヘ、そうですか?」

美咲は笑った。

とりあえず、美咲が元気になってよかった。

「ところで…なんですけど、雅仁さんはお正月は実家に帰ったんですよね?

どう過ごしたんですか?」

美咲が思い出したと言うように聞いてきた。

あっ、そうだった。

「別にどうもしないよ。

紅白歌合戦を見て、お雑煮とおせち料理を食べて、初詣に行っただけの当たり前の正月だよ」

そう説明した僕に、
「何だ、わたしのところと変わらないや…」

美咲はガッカリしたようだった。

彼女の顔を見ながら、僕はそんなものだと思うけどなあと心の中で呟いた。