恋をしよう!

それから腕時計に視線を向けると、
「あっ、いけない!

もう時間だ!」

ガタッと椅子から立ちあがった。

「えっ、何?」

これから何があると言うのだろう?

戸惑っているわたしに、
「これから勇吾と出かける約束をしてるの。

今日は午前中だけの仕事だって言ってたから」

梨代ちゃんはテーブルのうえに置いてあった伝票を手に持った。

「えっ、今から?」

そう聞き返したわたしに、
「アイスティーの代金だけ払うからー」

梨代ちゃんはレジの方へ足を向かわせると、会計を済ませた。

「あー、行っちゃった…」

もう少しでいい話を聞けるかと思ってたのに…。