「ちょっ…ちょっと、それはやめてくれませんか?」

美咲は首の後ろへと手を伸ばすと、解けてしまったひもを結び直した。

「あーあ、せっかく解いてあげたのに…」

そう呟いた僕に、
「雅仁さん、イジワルですよ…」

美咲は呟くように言い返した。

「誰もいないから、このまま裸で泳いでもらおうかと思ってたのに…」

そう言った僕に美咲は顔を真っ赤にさせた。

「それはできません!」

美咲はその場から逃げると、プールに飛び込んだ。

「飛び込みは禁止だぞ」

顔に水しぶきを受けながら声をかけたけれど、彼女の耳には届いていなかったようだった。

そうだ、もうすぐクリスマスがくるな。

そろそろクリスマスの予定を考えますか。

「その前に少し泳ぐか」

僕は椅子から立ちあがると、プールサイドへと足を向かわせた。