恋をしよう!

「本当にすみませんでした。

俺のせいで先生が苦しい思いをしたうえに、荻原先輩も泣かれて…」

「それ以上言うな」

古川くんの話をさえぎるように、先生が言った。

「すみませんでした」

古川くんは頭を下げると、数学準備室から立ち去った。

彼の後ろ姿を見送っていたら、
「美咲」

先生に名前を呼ばれたかと思ったら、後ろから抱きしめられた。

えっ、何?

「せ…ま、雅仁さん?」

突然のことに戸惑いながら名前を呼んだら、
「よかった、名前を呼んでくれた…」

先生が呟くように言って、わたしの肩に顔を埋めた。

「僕の身勝手で別れを告げたから、もう呼んでくれないかと思ってた…」

そう言った先生に、
「確かに、別れを告げられた時は驚きました」

わたしは言い返した。