恋をしよう!

「あの、荻原先輩…そうだ、剣道場の方で話をしましょう。

何があったか話を聞かせてください」

古川くんは慌てていると言うように早口で言うと、わたしと一緒にザワザワと騒がしい教室の前を去った。

お母さんが元女優で、そのうえ小さい頃に劇団で鍛えられた演技がこんなところで役に立つとは思ってもみなかった。

「つきましたよ」

古川くんに言われて、わたしは顔をおおっていた手を外した。

わたしたちは3階にある剣道場の階段の前にいた。

彼が連れてきてくれたみたいだ。

「その…何があったんですか?

どうして、俺が悪いみたいなことになったんですか?」

古川くんが階段に腰を下ろしたので、わたしは彼の隣に腰を下ろした。

わたしは少しだけ目を伏せると、
「――岡田先生のこと…」
と、呟くように言った。