本日の3時間目の授業を担当するクラスは、荻原がいる3年6組である。

「はい、席につけー」

僕が教室に足を踏み入れたとたん、クラスはバタバタと忙しそうに動き始めた。

慌てて教科書とノートを机の上に出したり、自分の席に座ったりと騒がしかった。

全く、忙しくするくらいならばあらかじめ用意しておけよ。

その騒がしい中で、机の上で頬杖をついている荻原と僕の目があった。

彼女は僕と目があったとたん、ニコッと嬉しそうに微笑んだ。

不覚にも、僕の心臓がドキッと鳴った。

相手は年下だぞ。

心の中で言い聞かせていたら、ようやくクラスが静かになった。

「起立、礼、着席」

授業が始まった。