恋をしよう!

「もしもし?」

すぐに先生が出てきたので、
「もしもし、何か用事でしたか?」

わたしは聞いた。

「用事でしたかって、お互いが会えない時は電話をするって約束したばかりじゃないか」

そう言った先生に、
「先生、それは明日からですよ」

わたしはクスクスと笑いながら言った。

「えっ…ああ、そうだったな」

電話越しだけど、先生が照れているのがわかった。

「いいですよ、わたしも先生の声が聞きたかったので」

間違えたとしても何だったとしても、こうして先生の声を聞けるのは嬉しい。

「荻原…」

かすれた低い声が、わたしを呼んだ。

先生はいつわたしのことを“美咲”って名前で呼んでくれるのかな?

わたしももうそろそろ、先生のことを“雅仁さん”って名前で呼びたいんだ。