恋をしよう!

花火を見終えると、僕と荻原はケーキを食べた。

ホールのケーキをフォークでつついていたら、
「ケーキ、ちょっと溶けてますね」

フォークですくった生クリームを口に入れた荻原が言った。

「食事している間は冷蔵庫に入れておけばよかったな」

僕はフォークでいちごを刺すと、口に入れた。

甘酸っぱい味が口の中に広がった。

ケーキを冷蔵庫に入れなかったせいで、生クリームが水っぽくなっていた。

「先生」

荻原に呼ばれて視線を向けると、彼女はフォークに刺したいちごを僕に差し出していた。

これは世間でよくある、“はい、アーン”と言うシチュエーションだな。

この場には僕らしかいないとは言え、恥ずかしいものがあった。

荻原がフォークを引っ込める気配はない。