恋をしよう!

「どうかしたか?」

そう聞いた僕に、
「先生は、わたしが母のような女優になりたいって言ったらどうしますか?」

荻原が聞いてきた。

僕の手からフォークが落ちそうになった。

「荻原が女優…?」

そう呟いた僕に荻原はフフッと笑った。

もし荻原が女優になってしまったら、世間はいろいろな意味で彼女を放っておかないだろう。

実母が朝ドラ女優の平井水穂であることもそうだが、母親譲りの荻原の美貌が何よりのセールスポイントになることだろう。

演技力はよくわからないけれど、荻原は去年の学園祭の演劇で主役を演じて、それが大評判を呼んだとどこかで聞いたことがあった。

ブランドと美貌と演技力――実母と同じくらい、あるいはそれ以上に有名な女優になるかも知れない。

そうなったら僕は、
「ジョーダンですよ」

荻原の声が聞こえた。