千秋ちゃん母娘はわたしたちに歩み寄ると、
「美咲ちゃん、もう終わったの?」

千秋ちゃんがわたしに話しかけてきた。

「うん、たった今ね。

千秋ちゃんは宮田くんの次だったっけ?」

「今、宮田くんの番?」

「うん、そうだよ」

そう答えた後、わたしは隣のお母さんに視線を向けた。

「お母さん、この子が1年生の時から仲良くしてる田村千秋ちゃん」

お母さんに千秋ちゃんを紹介した。

「初めまして、田村千秋です。

美咲ちゃんとは1年生の時から仲良くしています」

千秋ちゃんはお母さんにペコリと頭を下げた。

それからわたしの耳元に唇を寄せると、
「やっぱり、美咲ちゃんに似てかわいいね」
と、言ってきた。

「いやいや、そんなことないから」

わたしは首を横に振った。