「はっきり答えるわよ!

あんたのそう言うところが大嫌いだから別れるって言ったのよ!」

手を振り払おうと必死になりながら女が叫ぶように答えた。

「何だとー!?」

男は叫ぶと女の首に手をかけようとした。

これはヤバい!

そう思った僕の躰は自然と動いていた。

「何やってるんだ!?」

僕の声に、彼らは驚いたと言うように視線を向けた。

「あっ…こ、小暮さん…」

男は僕を知っているようだった。

女は誰だとでも言うように僕の顔を見つめていた。

「いや…ち、違うんですよ…。

これは、その…」

言い訳されてもどうしようもないだけである。

第一、僕はこいつのこと知らないし。