「――九重…」

雪音は僕の名前を呼ぶと微笑んだ。

「大好きだよ」

そう言った雪音に、
「俺も君が大好きだよ」

僕は言った。

お互いの気持ちを確かめあって微笑んだ後、五十鈴がぐずり始めた。

「あっ、もうご飯の時間か…」

思い出したと言うように呟いた雪音に、
「そうなんだ…」

僕が呟いた後、クスクスと一緒に笑いあった。

「帰ろうか」

僕はそう言って、雪音に手を差し出した。

「うん、帰ろうか」

雪音は首を縦に振ってうなずくと、差し出された僕の手を重ねた。