僕は息を吸い込むと、
「――もし…もし雪音の気持ちが変わらないなら、俺と家族になってくれないか?」

雪音がいなくなってから寂しかった。

毎日のように雪音のことを探した。

神社へお参りに行って、雪音に会いたいと神頼みをしたこともあった。

その甲斐あってか、やっと雪音に再会することができた。

「家族…?」

初めて聞いた単語のように、雪音が呟いた。

「いつだったか忘れたけど、俺の家族が“うらやましい”って言ったことあったよな?

だから…だから、家族になってくれよ。

小暮家の一員になってくれよ」

雪音と再会できたうえに、かわいい娘にも会えることができた。

なのに、雪音は病気で刻々と死に近づいてきていると言う状況だ。