小さな広場のベンチに到着すると、雪音と一緒にベンチに腰を下ろした。

「実はね」

雪音は話を切り出した。

「私、病気なの」

「えっ?」

何を言い出したかと思ったら、それである。

「いわゆる、脳の病気って言うヤツなの。

元々頭痛持ちだったんだけど、それがひどくなって病院に見てもらったら…病気だって診断された。

もう1年は持たないだろうって、医者から言われた」

そう言った雪音に、
「それが、俺の前から姿を消した理由なのか?」

そう聞いた僕に、雪音は首を縦に振ってうなずいた。