雪音が僕の前から姿を消して、1年が経った。

「今日も暑いな」

無事に大学を卒業した僕は、実家のレコード店を継いだ。

今日も燦々と照らしている真夏の太陽を浴びながら、アイスクリームを買うためにコンビニへと向かっていた。

「おっ、もうすぐか」

掲示板にカラオケ大会のポスターが貼られていたのを見た瞬間、僕は呟いた。

このカラオケ大会で3連覇をした後で雪音に告白して、彼女と結ばれたんだっけな。

あれから1年が経ったのかと思いながら懐かしい出来事に浸っていたら、
「――九重?」

記憶の中の懐かしい声が僕の名前を呼んだ。