雪音からの連絡はなかった。

彼女も彼女で忙しいのかも知れないな。

連絡がないことに特に気に止めることもなく、大学は後期を迎えた。

週に1回の授業に顔を出すと、
「あっ、九重さん!」

僕の姿を見つけた横山がバタバタと駆け寄ってきた。

「おう、元気にしてたか?」

駆け寄ってきた彼に声をかけると、
「ええ、元気ですよ」

横山が答えた。

「どうだ?

学生生活最後の夏休みはちゃんと遊べたか?」

そう聞いた僕に、
「ほぼ就活でしたよ。

その甲斐あって、内定をもらったからいいんですけど」

横山はハハッと笑いながら答えてくれた。