目を覚ますと、隣で眠っていたはずの雪音はいなかった。

「――雪音…?」

カーテンを閉めていない窓の外は、水色の空で広がっていた。

ああ、もうそろそろで朝がくるのかと寝起きの頭で僕はそんなことを思った。

躰を起こすと、机のうえに置き手紙があることに気づいた。

タオルケットから出ると、机に歩み寄った。

『ありがとう、九重 雪音』

意外にも角ばっている字で、そう書いてあった。

そうか、帰ったのか…。

僕は息を吐くと、手紙を引き出しの中に入れた。

次に会えるのはいつになるのだろうか?

そんなことを思った自分にクスッと笑うと、僕は下着とジーンズを身につけた。