離したくない…。

雪音を、離したくない…。

彼女と愛しあっているこの時間が続くことを心の底から願った。

「――好きだから…。

好きだから、離したくない…」

そう言った僕に、
「――私も…」

雪音が言った。

「――九重から離れたくない…。

このまま…ずっと、九重と一緒にいたいよ…」

涙を流しながら言った雪音の額に、僕は唇を落とした。

「――雪音、好きだ…」

ささやくように僕は言うと、雪音と唇を重ねた。

それを受け入れるためなのか、背中に回っている両手がギュッと強くなったような気がした。