「じ、自分の部屋に女を連れてきたのは、雪音が初めてだよ…」

「へえ、九重の初めてはここじゃなかったんだ」

雪音はニヤニヤと意地が悪い笑みを浮かべている。

「いや、だから…」

これ以上彼女とやりとりを続けていたら、いろいろと台無しになりそうだ。

「もうそれくらいにしろよ」

「――ッ…」

雪音とのやりとりを終わらせるように、彼女の唇をふさいだ。

そっと彼女を押し倒すと、唇を離した。

三白眼の瞳を目をあわせると、
「――逃げるなら今のうちだぞ」

雪音に声をかけた。