両親は飲みに行っていたため、家にいるのは妹たちだけだった。

家にいる彼女たちに気づかれないように、僕は雪音と一緒に家の中へ足を踏み入れた。

「何だかドロボーしているみたいだね」

忍び足で僕の部屋へと向かいながら、雪音はコソッとささやくように僕に話しかけてきた。

「見つかると面倒なことになるから気をつけろよ」

そんな雪音に僕はコソッとささやくように返した。

いつもの倍以上の時間をかけて、ようやく部屋に到着した。

部屋の中に入ると、
「ふぅ…」

同時に息を吐いたので、僕たちは顔を見あわせて笑った。

一緒に笑いあった後、
「九重」

雪音は僕の名前を呼ぶと、唇を重ねた。