そっと僕は雪音の肩を引き寄せると、彼女の唇に自分の唇を落とした。

「――九重…?」

雪音の目が大きく見開いて、僕を見つめた。

「君が嫌いな訳がないじゃないか」

僕の気持ちはただ1つだけだった。

雪音が好き――たったそれだけである。

彼女が好きだから、キスされても僕は抵抗しなかった。

「九重…」

僕の名前を呼んだ雪音を抱きしめると、
「――今すぐに君を愛したい…」

彼女の耳元に、そっとささやいた。

「いいよ、私の全部を九重にあげる…」

雪音が僕の耳元でささやいた。