夏の風物詩であるカラオケ大会は例年通り無事に終わった。

昼間のうだるような暑さは夜になっても続いていた。

誰もいなくなった会場でぼんやりと夜空を見あげていたら、
「はい、お疲れ様」

その声と同時に、横からペットボトルのサイダーが差し出された。

「雪音」

いつの間にきていたのだろうか、僕の隣に雪音がいた。

「3連覇おめでとう」

祝いの言葉をかけてきた雪音に、
「ありがとう」

僕は答えると、ふたを開けた。

今年のカラオケ大会も、去年おととしと引き続いて僕が優勝をした。