「3連覇ですか…」

確かに、僕はおととしと去年と優勝して2連覇を達成している。

「でも俺が参加したら、他の参加者たちに迷惑がかかりませんか?」

そう聞いた僕に、
「皆さん、九重さんの歌を楽しみにしていますよ」

校長先生が答えた。

「んー、そうですか…」

「今年も弾き語り、楽しみにしていますよ」

校長先生がポンと僕の肩をたたいてきた。

「いや、弾き語りなんてそんな…」

フォークソングのサークルに入ってるから、アコースティックギターが得意と言えば得意なのだが。

「じゃあ、俺はこれで失礼します」

「楽しみにしてますよー」

校長先生に向かって手を振りながら、僕はその場を後にした。